移り変わる部活動の姿から見えるスポーツシーン
こんにちは
今日は部活動改革として各所で取り上げられている改革についてピックアップしながら、私が考えていることを少し書いていきたいと思います。
私は中学高校の部活動に指導員、支援員として関わっていて、学校の内情なんてそれこそケースバイケースですが現場で見えることも少し書いていきたいと思います。
ブラック部活動
今や聞きなれた言葉になりました。
皆様、体育会系の部活動に所属された経験のある方は、
部活と言えば「拘束時間が長い」「厳しい」「理不尽」などネガティブな思い出が一緒に蘇ることもあるかと思います。
その反面、どんな人にも「これはやり遂げたぞ!」という成功体験もあるかと思います。
昔のブログで、部活動やスポーツクラブにいたことが、その人のバックボーンとなる!!と書いたことがありましたが、それくらい組織に属して何かに向かい、取り組むことは人格の形成や成長において必要不可欠であると考えています。
もちろん、部活動に対しては学校の運営次第の部分があり、
何を持ってホワイトか、ブラックかという明確な線引きはないですし、
そこにいる人それぞれの感じ方になる部分は多いかと思います。
スポーツに取り組む人は、「できるなら最大限やりたい!!!」と活動機会は多い方が嬉しいし、質も高ければ嬉しいですよね。
でも、スポーツをやったことがない人からしたら、
「そんなに練習する意味はあるの?」
という感想になります。
では、ブラックって誰に対しての言葉なんだろう・・・
私はどちらかというと疑問に思うタイプです。
ブラック部活動があるからホワイト部活動がある、ということは間違いないです。
でも、どちらも指導者サイドが考えることは同じで、
どうやって選手を育めばいいかの部分でのアプローチの違いでしかないです。
当然ですが、スポーツは100%楽しいもので、
きつい練習も楽しめる資質がないと成長って難しいですよね。
心技体を鍛えなければいけない場所で、いつも甘い方に流れてしまっては強くなるものも強くなりません。
話は脱線してしまいますが、甘い方に流れてしまう選手に対して「どのように導いてあげられるかはメンタルコーチングの領域で、昔ながらのトップダウンでそれにハマらない選手が蹴落とされていくのはおかしいです。
多様化は求められています。
ブラックだろうがホワイトだろうが指導者は選手たちに完璧な育成環境を提供したいと思っているということを踏まえて、特にブラック部活動が成り立っているのは指導者の犠牲、とてつもない愛情の上に成り立っているということを忘れずに、ホワイト部活動の取り組みについて少し書いていきたいと思います。
某トップランク大学部活動の話
ボトムアップ部活動
昔からの流れでいくと、
体育会部活動にはカースト制度がありました。
従来の日本社会、礼儀や社会のマナー、風潮をバッチリ反映したもので
1年 奴隷
2年 ゴミ
3年 平民
4年 神
言葉は少し違うかもしれませんが、こういう風に雑用の量や業務の量、人間関係にまで及ぶ完璧な縦社会が部活動にはありましたね。今もあるかもしれません。
この大学のある部活動では、
1年生が神待遇を受ける
のです。
なぜかというと、入学したばかりで学校生活面でも覚えることが多かったり、環境の変化があります。
そこを慣れている上級生がカバーして競技に集中できる環境を作ってあげるのです。
これ、究極のボトムアップです。
できない選手が高待遇を受けて、競技に集中できる環境を作る・・・・
どこにありますか!?
礼儀とか大切なことって
ゴリゴリの縦社会じゃなくても教えてあげることはできますよね。
ここで着目すべきは、
合理性です。
目標の達成のために
どのような工夫がができるか。
習慣や悪い風習を見直して、改善してゆく
日本社会ができていないことです。
無駄がないか、もっと良い環境を作るにはどうすれば良いのか、
きっとたくさん考えながら取り組んでいるのだと思います。
ありがちなのが、
トップダウンの環境で、指導者がピラミッドの頂点にきてしまうケース。
私は嫌いではないです。
そういう環境でやっていたので当然な感じはしますし、そこで身につくことは非常に多いです。
クラブの子どもたち〜U18くらいまでに言っていることは、
「ボス」と「リーダー」は違うということ。
これは、私が好きな画像です。
ボトムアップに必要なことはまず、この志だと思います。
そして、なんでこの話をするかというと
ボトムアップは非効率的に見えて、実は効率的、合理的な方法なのです。
チームスポーツは個を伸ばすことももちろん求められますが、
1〜100まで指示をして、大勢の中で個を伸ばすよりも、
まずは組織を伸ばして、成長環境を作ってしまえば
多くの選手がそこにマッチして成長していきます。
それほど、集団性というものが求められます。
そして、一番効率的だと思う部分は、
リザーブの選手が伸びていくことです。
私の中の明確な基準として、
組織(チーム)の中でリザーブ、控え選手、下級生、立場があまり高くない選手、人を伸ばせない人間に指導力があると思っていません。
トップダウンでも同じです。社会でだって同じです。
選手の技術を伸ばすことは、
勉強をして確かなメソッドを忠実に、PDCAを意識して行えば伸びます。
でもそれと、ゲームで力を発揮するのは別の問題です。
なぜかというとチームで戦うからです。
時短部活動
次は時短部活動についてです。
これも私は大好きです。
最近はスポーツ庁のガイドラインが学校など地域までおりてきて、
こ「スポーツはこのくらいの活動の中で結果を出しましょうね」と定められています。
もちろん破っている組織ばかりです。
でも、大切なことって、
「ルールが何を教えるか」ということになると思うんです。
児童育成の記事でも書きましたが、
ルールの先にある意図、これが育成年代には特に必要です。
時短部活動とは、
少ない活動時間をしっかりとマネジメントして、質の高い活動をすることです。
週3に部活動で全国に出ている、なんて記事もたくさんあります。
これが育成年代にできるかはわかりませんが、
科学的なアプローチはもちろん、様々な工夫で実現している部活動は非常に多くなってきていると思います。
大切なことはマネジメント
セルフマネジメントももちろん、メンバーの全員が共通認識の中でストーリーを描いていくことが大切です。
そして、振り返りをすること。エラーが出たところで早急に対処できないと間違った方向にずっと進んでしまいますよね。
膨大な時間をかけると、
回り回って全体的に網羅できる
そんなことってありますよね。
それができない分、一回の活動に対する成果がシビアになってきますよね。
余談ですが、
アメリカのチームに入っている時
チーム練習は1回2時間もなく、それが週1〜あっても2回でした。
それ以外の時間はコーチ主導のもと、これをやっておきなさい!と課題を渡されたり、選手たちとワークアウトをするくらいでしたね。
もちろん対外試合みたいなのは定期的に練習時間とは別でありました。
感銘を受けたし、非常に合理的、科学的、さすがスポーツ先進国!!!
と思ったのを覚えています。
まとめ
『移り変わる部活動の姿から見えるスポーツシーン』
テーマを振り返って見ると、
教育シーンの中にある部活動ですら、スポーツのあり方は変わってきています。
人に何を育ませるのか?
これはスポーツの価値そのものですよね。
魅力です。
いろいろなことを教えてくれますから。
でも、そのスポーツの中で
変化してる競技を取り巻く環境、
それがどんどん合理化されているということ。
合理化を実現するために、科学的な視点を取り入れていること。工夫の部分です。
そしてマネジメント。これは選手に主体があるからできること。
どうすれば向上していくか、自分自身やチーム自信を育むという選手の視点があってこそ伸びていく力だと思います。
部活動の変遷で見える気づきではないでしょうか。
【noteの運用を始めました】
テーマはジュニアアスリートを育む保護者の方へのバイブルです。
ジュニアアスリートと言っても内容はほとんどバスケ寄りです。
ブログで書いているような内容でさらに深いところまで書いていきます。
応援よろしくお願いします。
https://note.mu/basketball_kids/n/na8c2ff4b7db7
このブログの筆者。バスケコーチのLINE@アカウント
バスケ指導シーン、子どもの育成シーンに携わっているコーチが配信しているブログの情報などを配信しています。
谷村 蓮(たにむら れん)
世田谷区出身。25歳。小学生からバスケを始めて現在は社会人リーグでも活躍中。大学在学時、アメリカに留学。バスケットをより深く学ぶ。現在はプレーをしながら都内の小学生~高校生まで指導。日本バスケ協会公認コーチ。日本体育協会公認指導者。スポーツインストラクター。東京都放課後児童支援員。東京都高体連外部指導者。