Basketball Diary

バスケコーチのブログです

魅力ある時間「クラッチタイム」

クラッチタイム

 

バスケットボールは競技の特性として、時間によって管理されているスポーツです。試合時間が明確に区切られる、タイムアップのあるスポーツで試合終了のブザーがゲームを終わらせます。

 

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バスケットボールの見どころとして、クラッチタイム」と言われる時間がありますが、それは試合を決定づける瞬間のことを言います。

放ったシュートが勝敗を分ける局面には人を感動させる力があります。

 

そんなバスケットの面白い時間のことを少し書きたいと思います。

 

 

 

 

スポーツの魅力

 

私は普段からスポーツの魅力について、「人を感動させる」ことにあると考えています。記事にも書かせていただいていますが、スポーツが持つ教育的側面も十分に魅力なのですが、実際に試合を見ている観客をどこまで楽しませて、どこまで感動させることができるのか、スポーツには無限の可能性があります。

 

バスケットは試合の展開やスピードの早いスポーツで、それだけにダイナミックで迫力のあるプレーがたくさん見れます。

 

その中でも、どんなゲームが人々を感動させるのだろう?
どんなゲームが魅力溢れるゲームなのだろう?と考えたりします。

勝ちゲームが必ずしも魅力溢れるゲームだとは思いません。
自分たちが練習してきたことを発揮してこそ、感動は起こるものだと思います。

 

 

 

接戦はどんなゲームも熱い

 

接戦、つまりシーソーゲームはどんな試合でも興奮を呼びます。
あえて接戦しなさいよ、とは言いませんが接戦こそが人々を感動させる最高のゲームだと思います。

 

レベルが低い同士の接戦なんて・・・と考えるひとはいるかもしれませんが、
見応えのあるゲームであることには変わりありません。

 

子どもの試合になると、そもそも接戦を戦い抜けないこともあります。
途中でアクシデントが起きてしまったら、折れてしまうこともあれば、修正もできないこともあります。
圧倒的にメンタリティを要求させることになるので日々の練習の質を求められます。

接戦を戦うだけでは、その感動の真価は得られないです。
チームとして勝つことを目指しているのであるならばその接戦を制する必要があります。
接戦を自らのスタイルで制した時に本当に感動がある、私はそう考えています。

 

 

 

クラッチタイム

 

接戦の中で訪れるのがこの時間、特別な時間クラッチタイム」です。
苦しい戦いを勝敗づけることのできる選手、不断の努力を積んできたプレイヤーのみが任される最高の時間です。
接戦をどちらが手にできるか、チームに託される瞬間、チームもエースのために頑張る瞬間、チームが本当に一つになる瞬間です。

 

確かにショットを放つことができる選手は一人だけですが、そのボールのメンバー全員、コーチ、観客の思いを乗せることができるか、それだけショットを放つ人間に魅力があるか、勝敗を分けるポイントはそういったドラマにあると思います。

 

こればっかりは不思議なもので、個人の実力ももちろん必要ですが、最後に必要なものは信頼関係、これしかありません。クラッチタイムは、チームがいかにいいチームであるかを問われているのです。

 

バスケットにおいて一番面白く、人々を魅了する時間であるこの時間をどのように過ごしたいかという部分が選手にとってとても大切だと思いますし、育成の中で大切な観点になると思います。

 

 

 

私は中学時代からずっとをクラッチタイムを任される選手でした。
初めは任されていたというよりは、自らボールを離さない選手でした。
誰に何を言われようとも、最後は自分でケリをつけたい選手、ただのエゴイストです。

私のせいで負けるゲームは星の数ほど、でも決めて来たシュートの数も経験して来たドラマも数多くあります。

 

ビッグショットにたどり着くまで、仲間が身を削って一緒に戦ってくれる、最後の瞬間を自分に任せてくれている

そういったメンタリティに到達するまでに相当な時間がかかりましたが、
私は心からその瞬間を楽しんでいるし、私はそういう選手だったし、今もそういう選手でありたいと思い続けています。

 

選手はゲームの中だけでなく、日々の中でどんな選手でありたいか、もちろんクラッチタイムを任されたい選手ならば仲間に見せ続けなければいけない姿勢があります。
人柄が役割を作っていくということを忘れてはいけないし、どの瞬間も常にジャッジされているというシビアな環境を自らに課してゆかないと土壇場での信頼関係には繋がっていきません。

 

だから私は誰よりもルーズボールに飛び込んで
誰よりも走ってきたのだと思います。

 

人を感動させること

 

選手はこの気持ちを一番に戦い続けなければいけないと思います。
これが達成できる選手はどんなカテゴリーにおいても一人前のアスリートだと思います。